【徹底解説!!】ビットコインキャッシュの分裂はなぜ起きた?

11月16日に発生したハードフォークにより分裂したビットコインキャッシュ。

分裂のきっかけや分裂後の両陣営の動向、他の仮想通貨の価格の影響について、改めて説明しよう。

■ハードフォークについての解説はこちらを参照

ハードフォークとは?~今さら聞けない仮想通貨の基礎知識編~
2017年は仮想通貨バブルとも呼ばれる長期上昇相場であった。

そんな中、同年にビットコインで起…

ビットコインキャッシュ分裂の概要

2018年11月16日に、ビットコインキャッシュは「bitcoinABC」と「bitcoinSV」に分裂した。

要因については後述するが、簡単にいうと仲間割れといったところだ。

仲間割れをきっかけとするハードフォークは、袂を別ってそれぞれが別々の道を進むことが多いのだが、今回のビットコインキャッシュの分裂においては「真のビットコインキャッシュ」の座をめぐって2派が争う形となった。

争いの間は送金時に不具合が出る可能性が高いことから、ビットコインキャッシュの送金がほぼすべての仮想通貨取引所でストップしている。

つまり、支払い通貨としては機能していないこととなる。

仮想通貨のメリットとして言われていた、トップが存在しないという「非中央集権型」が裏目に出た形となり、多くの仮想通貨保有者の失望を生んでいる。

 

ビットコインキャッシュ分裂のきっかけ

ここで、ビットコインキャッシュがそもそもなぜ分裂に至ったのかを整理したい。

発端は、マイニングに利用するソフトウェア「ビットコインキャッシュクライアント」のアップデートに関する発表だった。

通貨の承認作業を行うマイナーの大半は「bitcoinABC」というクライアントを利用している。

このクライアントを開発している団体 bitcoinABC が、ソフトをアップデートすることを7月に発表した。アップデートの内容は「スマートコントラクトやオラクルの実装を可能にし、拡張性をもたせる」といったものだった。

これに対して、「ビットコイン本来のビジョンとは異なっている」と反対したのが、ブロックチェーンの研究・開発を行う nchain 社のクレイグ・ライト氏であった。nchain 社は、新たに「BitcoinSV(Satoshi Vision)」という名のクライアントを発表し、bitcoinABC に対立する姿勢を見せた。

ただし、反対意見が出たからといって、すぐに決裂するわけではない。

一般的な組織のように、人数の多いグループや権力がある人物の意見が採用されるのは仮想通貨業界においても同じである。

bitcoinABC の後ろ盾は、マイニング機器メーカーの最大手 bitmain 社の代表ジハン・ウー氏や「ビットコイン・ジーザス」と呼ばれるロジャー・バー氏などの権力者であった。

また、クレイグ・ライト氏に賛同する人は少数だったため、bitcoinABC のアップデートが多数決で採用されると見込まれていた。

しかし、最大のマイナー団体である coingeek がクレイグ・ライト氏を支持すると表明したことで形勢が五分五分に。

その後他のチームが和解させようと働きかけたものの失敗に終わり、そのまま11月16日のハードフォークを迎え、通貨は分裂した。

 

ハッシュウォーの行方

「真のビットコインキャッシュ」はどのようにして決まるのだろうか?

それは、マイナーの「ハッシュパワーの高さ」である。

ハッシュパワーとは、通貨のネットワークを支えるコンピュータの演算能力の総合計のこと。ハッシュパワーが高いほど、マイナーの数が多いととらえることができるため、ハッシュパワーの高さ=マイナーの支持率と置き換えても良いだろう。

分裂後のそれぞれのハッシュパワーはどうだったかというと、最初はbitcoinABCが優位だったものの、その後値が下がってきて五分五分といった状態に。

すでに1週間以上もハッシュウォーが続いており、2つの分岐したチェーンはそれぞれ伸び続けている。

 

コイン価格への影響

ビットコインキャッシュのハードフォークは、市場にとってネガティブにとらえられたため、コインの価格の下落を引き起こしている。

ビットコインキャッシュ

ビットコインキャッシュの価格は60%下落。

11月1日の価格は47,000円程度だったのに対し、11月25日には18,600円程度となっている。

ビットコイン

ビットコインの価格は約40%下落。

11月1日の価格は65万円程度だったのに対し、11月25日には40万円まで下落した。

アルトコイン

その他の主要通貨の下落率は以下のとおり(11月1日~11月25日)。

・イーサリアム(ETH)・・・43%下落
・リップル(XRP)・・・17%下落
・ライトコイン(LTC)・・・41%下落
・ネム(XEM)・・・25%下落
・イーサリアムクラシック(ETC)・・・47%下落
・リスク(LISK)・・・50%下落
・モナコイン(MONA)・・・44%下落

リップルとネムを除くほとんどの通貨がビットコインよりも大きく下落していることが分かる。

 

両者が存続する方向へ

2018年11月23日、bitcoinSV を支持している仮想通貨メディア coingeek に、自社の意見として以下のような投稿がなされた。

分岐した2つのチェーンは今やとても離れてしまい、それらが一緒になることはないだろう。わたしたちは、もはやビットコインキャッシュという名前は望まない。bitcoinSVはオリジナルのビットコインであって、オリジナルのビットコインキャッシュではない。

これは、bitcoinSV がビットコインキャッシュから独立する宣言だと捉えることができる。
つまり、「真のビットコインキャッシュ」の座は bitcoinABC が受け継ぎ、bitcoinSV は「bitcoinSV」として存続するというものだ。

ハッシュウォー終結の兆しが見えてきており、今後の動向に注目が集まっている。

 

Source: 株師孔明の株&仮想通貨ブログ